ごはん、作って食べてますか?
私は毎日作ってます。
凝ったものは作らないけれど、温かいお味噌汁と少しのおかず、玄米ご飯。
それだけでなんだか幸せな気持ちになれます。
食べてるものも美味しいけれど、一緒に食べてくれる人がいることででさらに美味しくなる!
それが食事です。(もちろん一緒に食べていて箸が進まなくなる人もいるけれど…それは置いておいて)
今日ご紹介するのは、小説「そして、バトンは渡された(著:瀬尾まいこ)」に出てくる食事です。
一風変わった「家族」の食事シーンが素晴らしかったので、本の紹介を兼ねて、美味しいご飯の話をします!
小説「そして、バトンは渡された」とはどんな作品?
作者は瀬尾まいこさん。
2018年に単行本が出ており、2020年に文庫化されました。
2021年秋には映画化も予定されています。
いろんな理由で何度も保護者が変わり、バトンのようにつながれる主人公優子。物語の展開の中で、時が入れ替わってこれまでの出会いと別れを描かれ、その中で優子が伴侶を持つまでの物語です。
この作品の中では、優子と血のつながらない父・森宮さんの食事シーンが何度も登場します。
そのシーンには、料理と食事に対する愛がつまっており、大切にしていることが伝わってくるのです。
森宮の食卓に並ぶ料理たち
【長ねぎしいたけ小松菜豆腐が入ったカレイの煮つけ】
2番目の母親である梨花から教わり、1つの料理に何でも入れて栄養のバランスを取るという方法です。森宮さんが、煮汁をご飯にかけるという細かい描写が特に好きです。
【朝からのかつ丼】
森宮家での始業式の朝ご飯は、何故かかつ丼です。そして夜はカツカレー。朝から愛が重い。
【グレープフルーツジュースの爽やかなゼリー】
暑い季節に差し掛かるころ、登場します。ゼラチンの量を調整して、好みの口当たりを研究。
【薬味たっぷりのそうめん(甘く煮たしいたけ、ウズラ卵、ねぎ、海苔)】
ウズラ卵を入れるシーンがあるのですが、生なのか茹でなのか。どちらも美味しそう。優子が学校のもめ事を森宮さんに伝えるシーンです。
【ニンニクとニラたっぷりの焼き餃子】
連日そうめんでパワーが出てないから、と森宮さん力作の餃子。翌日のニオイが心配です。
【アレンジ餃子(しそとチーズとささみ、えびとほうれん草、ポテトサラダ)】
森宮さんが職場でニオイを指摘されたらしく、翌日すぐにアレンジ餃子。えびとほうれん草以外、あまり口に合わなかったらしく、残りを押し付け合います。しそチーズささみ美味しそうですけどね。
【トマトとタマネギがたっぷり入ったドライカレー】
しいたけ、にんじん、ほうれん草、ピーマン、なす等も細かく切って入っている手の込んだドライカレー。学校のもめ事がある程度解決に向かった頃のメニューです。
【きのこご飯、鮭のホイル焼き、みそ汁】
秋の香り高いメニュー。このあたりからピアノの練習が始まります。恋愛要素も加わっていき…。
【夜食のあたたかいうどん】
夕飯の2時間後に森宮さんが受験生の優子のために出してくる夜食です。刻んだあぶらあげとスライスしたかまぼこが入っています。
【生姜ご飯、具沢山の味噌汁、りんご】
受験当日の朝ご飯。優子から、かつ丼ではないのか?と問われる森宮さん。その答えとは…。
【ラーメンと餃子】
受験を終えた優子が、応援してくれたお礼にと、宮森さんへお小遣いで奢ります。作ってもらう熱々のごはんは最高ですよね。ラーメン屋の雰囲気といつもと違う食事風景が新鮮です。
【山本食堂の残り物】
里芋の煮物、鯖の味噌煮、切り干し大根。鯖の味噌煮に唐辛子が少し入っているそうです。美味しそう…。残り物貰えるのいいですね。山本食堂の宅配弁当は680円するそうです。
【キャベツ入りハンバーグとトマトと玉ねぎのコンソメスープ】
ロールキャベツにするのが面倒だからとハンバーグにされたキャベツ。身体によさそうですね。
【野菜たっぷりのピラフ、鯛のオーブン焼き、きのこのコンソメスープ】
ニンニクとハーブを鯛にすりこみ、オリーブオイルをかけてオーブンで焼くらしい。どういうレシピなのかとても気になります。皮がパリッと身はふっくら。間違いなく美味でしょうね。
【そうめん、ゼリー、シュークリーム、チーズケーキ、きなこのおはぎ】
ラスト前夜の夕飯です。最後にいろんなデザートを2人で食べよう!と優子が準備しました。何のお茶にすれば…?悩んだ末日本茶を入れる森宮さんが、至っていじらしいです。
【オムレツのサンドイッチ】
最後の朝に森宮さんが腕を振るいます。バターと牛乳の入ったふわふわオムレツのサンドイッチ。どんな日に食べているのか、ぜひ本を読んで確かめてみてください。
どんな食事を大事にしたいか?
バランスや栄養を管理された健康に良い食事、SNS映えするような魅力的な食事、節約に長けたコスパ重視の食事。
いろんなこだわりの料理がありますが、「一緒に食べる人」って大変に大切です。
自分一人で食事するにしても、どういう健康状態か、精神状態か、は大事。
自分が嫌な、不健康な奴ならどんな食事も美味しくないものです。
この作品は、それらを大切にしようと思わせてくれるものです。
まるでマシンのような主人公優子が、食べることに関しては大切にしている描写がたくさんあります。
働いたり、遊んだり、勉強したりはこういった何気ない生活という土台の上に立っていることを痛感させられます。
多くの人の共感を呼ぶのではないでしょうか。ぜひ読んでみてくださいね。
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